大阪府 北摂霊園「木もれびと星の里」日本初となるドイツ型樹木葬

日本初となる、樹木そのものを墓標とするドイツ型樹木葬

1973年、千里ニュータウンの人口増加を背景として、大阪府により開設された大阪北摂霊園は、98万㎡を超える広大な敷地を持つ霊園です。箕面国定公園に隣接し、豊能町・箕面市・茨木市にまたがる北摂山系の自然豊かな環境の中で多くの方々が永眠されています。

現在は、大阪府の外郭団体である公益財団法人 大阪府都市整備推進センターが管理する同園では、使用者の墓じまいへのニーズや「お墓は欲しいけれど、継承者がいない」といった声などを受けて、2017年に合葬式墓地を開設。

2021年、霊園正面入り口奥の樹林を活かす形で、新たな樹木葬エリア「木もれびと星の里」を開設しました。

森林の樹木を墓標とするドイツ型の樹木葬

樹木葬墓地は、サクラなどを植えて周りにお墓をつくるシンボルツリー型、墓石の周辺に花壇などを配置したガーデニング型、地域に自生する樹木を植えて自然を再生する里山型・樹林型が一般的な形式である中、日本で初めてドイツ型樹木葬を取り入れたのが「木もれびと星の里」です。

新たに墓地を造るのではなく、森林そのものを墓地として活用し、自然保護につなげていくのがドイツ型樹木葬の特徴です。樹木葬エリアに墓参路を設けることで陽当たりがよくなり、墓標となる樹木一本一本が健やかに育ち、より豊かな森になっていくこともメリットと言えます。

「木もれびと星の里」は、ドイツ型樹木葬の研究者である北海道大学 上田裕文先生の監修を受けて開設され、新たな形の樹木葬として注目を集めています。

100年後の2121年、自然に還る樹木葬

2021年に開設された「木もれびと星の里」は、100年の管理期間を経た後、原生林に戻していくことを目標としています。計画では、2070年度末までは、現在の墓参路が維持され、樹木のそばまで歩いていってお墓参りをすることが可能です。

2071年4月に墓参路は閉鎖され、献花台からお墓参りをする形に。場所に空きがある場合、2120年度末までは新たに埋葬することはできます。その後は、埋葬されたご遺骨とともに原生林に戻していくという取り組みです。

使用期間が13年ほどの樹木葬が多い一方で、最大100年使用することができ、その後は北摂の美しい自然と一体化していくという物語性もあり人気を集めています。


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アクセス情報

【車でのアクセス】

  • 千里ICから約30分。梅田から約60分(新御堂筋利用)
    ※霊園内に墓所の近くまで車で乗り入れできる駐車場があります。

【電車とバスでのアクセス】

  • 北大阪急行電鉄「千里中央駅」阪急バス5番のりばより[大阪北摂霊園行(北千里~勝尾寺経由)]乗車約55分
  • 大阪モノレール「千里中央駅」阪急バス5番のりばより[大阪北摂霊園行(北千里~勝尾寺経由)]乗車約55分
  • 阪急電車「北千里駅」阪急バス6番のりばより[大阪北摂霊園行(勝尾寺経由)]乗車約45分

樹木を墓標とするプランと、森全体を墓標とするプランから選択

総面積6500m²の「木もれびと星の里」は、様々な広葉樹が自生する混交林エリアと、
霊園を造成した際に植えた杉林エリアに分かれています。

森林の樹木を墓標とするプランである「木だち」と「木もれび」は混交林エリア、森全体をひとつのお墓とする集合型の「天の川」は杉林エリアにあります。

■混交林エリア ~樹木を墓標とする2つのプラン~

混交林エリアには墓参路が設けられ、2071年までは墓標である樹木のそばでお参り
することができます。従来型の墓石はなく、オプションで樹木または掲示板に記名することができます。

墓参路を整備する際に間伐した樹木が枕木やチップとして活かされているそうです。

木だち(占有型)

植えられている好きな樹木の周囲を1家族で利用するプランです。樹木の種類や埋葬できる人数、墓参路からの距離などによって価格が異なります。ヤマザクラやイロハモミジは特に人気が高く、販売されると数倍の抽選になるそうです。

使用料:1契約65万円~120万円 
記名板・掲示板:別途33,000円

木もれび(共有型)

一本の樹木を複数の方でシェアするプランです。一本に対して最大で十名が埋葬され、ご家族や友人で隣接した場所を指定することもできます。「木もれび」は、まだ契約に余裕があるとのお話でした(2022年夏現在)。

使用料:1体25万円~30万円 
記名板・掲示板:別途33,000円

■杉林エリア ~森全体を墓標とするプラン~

「天の川」がある杉林エリアには立ち入ることができないため、専用の献花台からお参りする形となります。従来型の墓石はなく、オプションで掲示板に刻字することができます。

天の川(集合型)

入口正面から見て右側の杉林エリアにある「天の川」は、個別の埋葬スペース(0.6m×0.6m)が設けられた集合型の樹木葬墓地です。契約の順番により埋葬されるため場所を選ぶことはできませんが、隣をペアで利用することは可能です。「天の川」はまだ契約に余裕があり、単身の方や墓じまいをされたい方に人気のプランというお話でした(2022年夏現在)。

使用料:1体16万円
掲示板:別途33,000円

100年後に、北摂の美しい自然をつないでいく

北摂の豊かな森の中で、自然に還っていく「木もれびと星の里」の樹木葬。「お墓参りをピクニックに」をテーマにしているドイツ型樹木葬を参考にしていることもあり、墓参路を歩くだけで自然に癒される場所でした。

山道を歩くのは大変という方でも、管理事務所の2階からお墓参りができる点も好評とのことです。

管理を続けながら、開設から1世紀後となる2121年には北摂の原生林に戻すという取り組みは、樹木葬本来の自然保護や環境保全につながっていくものです。「100年後の未来に墓石を残すのではなく、美しい自然を残していきたい」という想いに共感される方は、ぜひ一度見学されてみてはいかがでしょうか。

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