樹木葬の価格は10万円を切るものから100万円を超えるものまでそれこそピンキリあります。ピンとキリでは何が違うのかを知って樹木葬選びに役立ててください。
アクセス
当然ながら、人口密集地域により近い墓地は価格が高くなる傾向があります。
土地面積
樹木葬に限りませんが、土地の使用面積と価格は密接に連動します。小平霊園等に見られる集合墓、また埋葬箇所がお隣と近接するシンボルツリー型は低価格になる傾向があります。
反対に、区画が個別に準備されていて、それぞれの面積が1.5m2を超えるようなものは価格が高くなる傾向があります。
また、一般には知られていませんが、制度的に墓地の区画の準備数は駐車場などの施設の整備にも関連があります。ですから大霊園ほど整備費は高くなり、価格も上がる傾向があります。
使用年数
墓地ならでは、の概念に「使用権」があります。墓地は不動産とは異なり所有権が移動することはありません。あくまで使用をするだけのものになります。その期間が短ければ短いほど価格が安くなる傾向があります。経営主体がお寺の場合には年忌にちなんでいる場合が多く、使用年数を7回忌から長いもので33回忌としているものが一般的です。
将来合祀するかどうか
合祀は使用している墓地の使用権が終了した後、その墓地に埋蔵されている遺骨を集合墓に移動させたりすることで使用権がリセットされる方法です。合祀は一般的な墓地の使用方法ですが、樹木葬の場合は遺骨を土に埋葬することもあり、行う場合と行わない場合があります。合祀しないと永続使用ということになりますので、価格が高くなりそうに思いますが、実は合祀は墓地の価格にはあまり関係がありません。さらに、土に還すタイプの樹木葬墓地は、合祀=遺骨を墓地から取り出すこととも限りませんので、よく確認が必要です。
管理
樹木葬墓地のうち、樹林型とガーデニング型は綿密な管理を前提としているため、価格が高くなる傾向があります。申込時には管理期間に対して価格が妥当かどうかを検討する必要があります。例えば価格がハイクラスの100万円以上であっても、50年以上の管理を期待するのであれば決して高いとは言えないでしょう。
区画売り型と永代供養料型
価格表記には大きく分けて区画売り型と永代供養、使用料型があります。区画売りは1区画○○円といったもの。区画売りの場合には管理費用等は別になる場合が多く、永代供養型は諸々の費用がすでにセットされている場合が多いようです。両方を比べると、いろいろ含まれている永代供養型の方が区画売りに比べて高くなる傾向があります。しかし、全経費を足し算すると双方あまり違いが出ないようになっています。
2霊園以上を比較検討するのであればイニシャルコストだけでなく、ランニングコストも含めて検討することが重要です。
民間墓地と公営墓地
公営墓地がその他に比較して安価です。ここ数年、公営墓地でもシンボルツリー型、集合墓型の樹木葬が増えてきています。これらは公共が提供すべき必要最小限の機能であり、納骨の立会いなどに制限があったりしますので、内容をよく調べてから申し込みしたいものです。2012年に都営樹木葬の小平霊園が誕生し、その申込み倍率が話題となりましたが、最近は類似した民間霊園も普及してきていて落ち着いてきているようです。
このように樹木葬といっても多様に枝分かれしていて、価格もそれぞれの個性にあわせて打ち出されています。簡単にまとめると、より広く、より管理が行き届いている樹木葬墓地は高く、より小さく、より短い使用期間のものは安価になります。
安い、高いにはそれぞれ理由がありますのでよく検討してから申し込みたいものです。