千葉市の公営霊園に樹木葬墓地が誕生した背景は?
千葉市の公営霊園である千葉市平和公園に樹木葬墓地が誕生し、2023年度(令和5年度)より募集を開始しました。この背景には、少子高齢化や都市部の人口密集に伴う墓地不足、そして樹木葬を希望するというニーズの高まりがあります。
従来の墓地に比べて樹木葬は、自然との共生を意識した埋葬方法として注目されています。特に、家族構成の変化や核家族化により、跡継ぎを必要としない墓地の需要が増えており、千葉市はこういった市民の声に応えるかたちで公営の樹木葬墓地を設置しました。
費用や募集対象者は?
千葉市平和公園の樹木葬墓地の費用は1体6万円と、一般的な墓地に比べて安価に設定されています。また、募集対象者は千葉市に住民登録がある市民のみとなっていますので注意が必要です。
埋葬方法は?
「共同カロート」と呼ばれる地下のスペースに、埋葬をします。合葬式(共同埋蔵方法)のため他のご遺骨と一緒に、埋葬しますので埋葬後、遺骨を返還してもらうことはできません。また、埋葬時に親族であっても、立ち会うこともできませんのでご注意ください。
民間の樹木葬との違いは?メリットとデメリット
【メリット】
・安心感: 公営墓地は地方自治体が運営しているため、管理や維持に対する信頼感があります
・費用の安さ: 共同カロートで合葬するタイプのため費用は安価の設定になっています
【デメリット】
・埋葬に立会ができない: 規定により、親族も埋葬に立ち会うことができず寂しいと感じる人もいます
・共同カロートで遺骨返還がない:共同のスペースに他の人と一緒にご遺骨を埋葬しますので、一度埋葬すると返還を希望しても不可能です
・いつでも申込みができるわけではない:募集時期が限られていますので、その時期を逃すと1年間待つ必要があります
最後に
全国的な樹木葬のニーズの高まりを背景に、千葉市の公営霊園にも、新たに樹木葬墓地が誕生しました。
費用面で安価に設定されている反面、合葬式で他の人とご遺骨が一緒に埋葬されてしまうことや、埋葬時に立ち会いができないなど制限も多くあります。
安価であることが重要なポイントとしてお墓選びをされていらっしゃる方にとっては、公営霊園の樹木葬は有力な選択肢になるかと思います。一方、良好な墓域環境や、丁寧な管理を期待される方は、民間の樹木葬を選ばれることをお勧めいたします。
他のお墓選びと同様に、実際に見学されて、自分のイメージにあった樹木葬を選ぶことが大事となるでしょう。
参考:千葉市平和公園の樹木葬のパンフレット(冒頭の画像もパンフレットから引用)
https://www.city.chiba.jp/hokenfukushi/iryoeisei/seikatsueisei/documents/jyumokusou.pdf
参考:募集要項
https://www.city.chiba.jp/hokenfukushi/iryoeisei/seikatsueisei/jyumokusou.html