近年、新しい埋葬方法として注目されている「樹木葬」

樹木葬墓地はイギリスではWood Land Burialと呼ばれてオーソドックス

    

樹木葬墓地はイギリスではWood Land Burialと呼ばれてオーソドックス

 

最近樹木葬という埋葬方法が色々なところで注目されていますが、この樹木葬は墓石代わりに樹木を墓標にしたものです。
別名で樹木墓地などとも呼ばれます。
この樹木葬はイギリスではウッドランド・ベリアルと呼ばれて近年人気が高まっています。
そこでこのWood Land Burialという方法についてご紹介しましょう。

 

 

聖なる森に転生するという意味があるウッドランド・ベリアル

どんな国でも文化や技術が発展してもあまりかわらない方法で埋葬しているのが現実です。
埋葬ということを考えると、法律や生活習慣は変わったものの、それに多少従う形で埋葬されているのが本当のところです。
また近年になるにしたがって「死」という概念が希薄になり、むしろ回避するような考え方も出てきました。
埋葬について考えるのは現代社会ではむしろタブーという風潮がありました。

これはどの国でも同様で、自国の宗教とともにセレモニー化した方法で埋葬されることが多くなりました。
しかしヨーロッパでも伝統的価値観や宗教が影響力の低下という現実に直面し、最近新しい埋葬方法を選ぶ人々が増えてきました。
それはウッドランド・ベリアルという方法で、直訳すると森への埋葬と呼ばれる、自然葬のひとつです。

 

ウッドランド・ベリアルはイギリスやドイツで広まった

遺体を埋葬するときは自然の状態に近い森に埋葬します。
宗教に縛られていそうなイギリスやドイツでも特定の宗教に縛られることなく埋葬されます。

埋葬される場合は特別な防腐処理を行いません。
また森林破壊になるとして木製の棺や金属製の棺は使わず、後で分解されやすい籐(とう)などで作られた棺に入れて埋葬したりします。
これは場所によりますが、場合によっては火葬が義務づけされていることもあるので、そのような場合は遺灰を収めた骨壺を埋葬することもあります。

いずれにしても遺体をそのまま埋葬する方法は、最後に自然に還るということを象徴しており、遺骨を骨壺に入れて埋葬する場合は森の生命の仲間入りをするという意味があります。
このような方法は一見保守的とされているイギリスでも、開始当初はペットと同じ墓に入りたいと考えた人がウッドランド・ベリアルという方法に注目したと言われています。

 

〇文化的背景

イギリスという国は一見保守的ですが、実は過激でアバンギャルドな意識もある国です。
そしてそれが認められる文化的背景もあります。
実はキリスト教においてはペットと人が(動物と人)が同じお墓に入るのは禁止されています
しかしペット霊園などの代替手段が増えても、結局は協会の墓地に弔われるよりも自分で選んだ自然葬という方法を選ぶ人が徐々に増えてきました。

一方ドイツでは少し事情が違いました。
ドイツは過去の敗戦の記憶と決別するために、無意味な慣習や宗教から離れて文化を再構築するという考えが徐々に増えてきました。
それは文化的風習を否定するというよりも、新たな方法を埋葬という部分にも取り入れていくということです。

この部分は日本でも同様の考え方で、ドイツでもコストがかかる昔からの墓地埋葬の方法に代わって、比較的費用が掛からず、環境保護推進にもなるウッドランド・ベリアルが注目されるようになりました。

そしてこの埋葬方法は、イギリスやドイツだけでなく少しずつ世界に広まりつつあります。

 

日本では樹木葬として知られるようになってきた

ウッドランド・ベリアルは別名でグリーン・ベリアルとも呼ばれ、ケミカルな棺は使わずに、環境負荷が低い埋葬方法をとります。
ただし当初のスタートと違うのはコマーシャライズされるようになり、価格も徐々に値上がり傾向にあると言われています。
このような埋葬方法を選ぶ方はエコ・コンシャスという意識を持ち、

インテリジェント・ラグジュアリー(知的贅沢さという意味)

というイメージも出てきました。

日本では樹木葬として知られるようになりました。
これには樹木を墓碑の代わりに植えるという方法に注目されて命名されたと言われています。
また樹木葬では北欧でも古くから行われている方法があり、これは大樹の根元に複数世帯を埋葬する方法があります。
埋葬するたびに植樹するという方法とは違い、土着の宗教に根差して埋葬する北欧の方法は、墓碑に樹木を使用するので少しウッドランド・ベリアルとは異なります。

ウッドランド・ベリアルは日本で広まった樹木葬とほぼ同じです。
墓石の代わりに樹木を植えていくという森林墓地という解釈です。
もともとある樹木を利用する方法もありますが、それとは違うのが樹木葬の主流だと思ったほうが良いでしょう。

 

ウッドランド・ベリアルは本来の埋葬の形

樹木葬というと新しい形の埋葬と考えられがちですが、実は本来の埋葬の形なのかもしれません。
自然に還るという人間本来の気持ちに寄り添った埋葬方法です。
世界中でウッドランド・ベリアルという方法が見直されているというのは、人間本来の気持ちに気が付いた結果なのかもしれません。

埋葬というと文化的側面や儀式的な側面ばかりフォーカスされがちですが、人間本来の気持ちを考えると非常に自然な埋葬方法なのかもしれません。