樹木葬にして後悔することはあるのか?

樹木葬にして後悔することはあるのか?

現在、人生の終わりを意識し始めた方が前もってお墓や葬儀などを準備する「終活」を意識し、行動する方が増えています。
生前にお墓や葬儀の形態などを決めたうえで、生前予約・生前契約などの準備をしておくことで、残される家族の負担を減らし、自分の希望とする最期を迎えようとする動きです。

近年、樹木葬に注目が高まる

従来のお墓の形態は、墓石を建立するお墓がほとんどでした。
しかし、近年では墓石の代わりにシンボルとなる樹木を植えてお墓とする樹木葬と言われるお墓を選ぶ方が増えています。

樹木葬は宗教や宗派を問わないところも多く、家族で代々受け継ぐお墓ではなく、個人を基本としたお墓が中心なので後継者の不安がある方にも受け入れられています。
ですが少し気になることがあります。

それは「樹木葬にして後悔しないか」という点です。果たしてそのようなことがあるのでしょうか。

人によっては後悔することも

結論から言うと、ケースによってはご自身やご遺族の方々の中にはどうしても後悔してしまうことがあります。
では、どんな時に後悔するのでしょう。

①墓石を建てないことでご遺族が後悔する
基本的に、樹木葬を選ぶケースは生前からご本人の意志により選択したという場合が多いです。

しかし、いくらご本人の意志とはいえ亡くなった後に墓石を建てないことにより、お墓とは墓石を建てるものという旧来の価値観を強く持つ方にとっては、受け入れることに抵抗がある場合があります。

とはいえ、墓石のお墓も様々な選択肢が見られるようになっています。旧来の和型と呼ばれる直方体の墓石だけでなく、洋型と呼ばれる洋風な墓石も増えています。色もグレーや黒っぽい墓石だけでなく、グリーンやマホガニー(赤茶色)といった墓石も見られるようになっています。

旧来の墓石だけでもこれだけ変化しているため、樹木葬だから受け入れがたいという価値観は徐々に薄れていくことでしょう。

②決めた後にご本人が後悔する
終活が一般に広く浸透したことがきっかけで「樹木葬」という形態も多くの人々に知られるようになりました。最近ではCMやインターネットの広告などでも樹木葬を目にすることも増えています。

そういった影響でこれまでの墓石を使った埋葬の仕方と違うので興味を持つ方もたくさんおり、ご本人から死後は樹木葬で弔ってもらいたいと生前契約を申し込むこともあります。

ただ、樹木葬の数も増えるともに伴い、樹木葬の形態も様々となっています。自然に近い樹木葬や、霊園の中にあり旧来のガーデニング墓地に近いものなど様々です。

後々になって「もっと自然に近い樹木葬があると知っていたらそっちを選んだのに・・・」「樹木葬で契約した場所をずっと使えると思っていたら◯年で合祀する形態だった・・・」ということで、後悔する方もいらっしゃいます。

できる限り情報を集めて、実際に見学したときに丁寧に説明してくれる墓苑を選び、自分にあった樹木葬を選びたいですね。

③シンボルツリーが想像と異なる
樹木葬はシンボルツリーの周りや近くに埋葬を行います。

シンボルツリーを選ぶタイプの樹木葬は、木の種類や場所をご本人やご家族と一緒に相談して決めることもあります。しかし希望する樹木を決めたあとに、「なんだか想像と違う」と戸惑ってしまうこともあります。

例えば、明るい色の樹木を選んだはずだったのに実際は暗かったり、背丈の高い樹木を選んだのに小さかったり様々です。また、樹木の品種や種類によっては周りの自然とあまり合っておらず馴染んでいなかったり色あせていたりするケースもあります。

自然の樹木ですので、このような当初の意図と違う・・・というが起きてしまう可能性がどうしてもありますが、自然とは人間の思い通りにならないものと諦観し受け入れて、時間とともに変化を楽しむ余裕が求めらるものなのかもしれませんね。

後悔しないようにするためには?

後悔するパターンで多いものは「ご本人とご家族の思いのすれ違い」や「比較せずに決めてしまったことによる後悔」などが挙げられます。

後悔しないようにするためには、できる限り情報を集めたうえで比較検討し、ご本人とご家族がよく話し合って納得した上で決めることが大切です。

インターネットで比較的情報が集められる時代になっていますが、近年は家族が遠方に住んでおりなかなか話ができないという場合も多いです。

家族ではじっくり話ができないという方も、契約した後に伝えるのではなく、検討段階で、少しだけでも樹木葬を考えているということを伝えておくことがよいですね。

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