樹木葬は、遺骨を細かくして埋葬し、その上に人工物でない樹木を墓標とする方法です。
樹木は基本的に大きくならない低木で、ハナミズキやサルスベリ、ウメモドキ、エゾアジサイ、ムシカリ、ツリバナ、モミジなどが多いです。
植物なので、生態系に悪影響を与えないことが大切で、自分で選ぶことができるお寺もあるそうです。
そんな、樹木葬の樹木ですが、植物ですから根づかずに枯れてしまうこともあります。
では、樹木葬の木が枯れてしまった場合には、その場所はどのようになってしまうのでしょうか。
樹木は生き物なので枯れることだってある
樹木葬に使用されている樹木についてどの程度ご存知ですか?樹木は当たり前ですが植物ですので、
植えるのに適した時期や適した場所などがあります。
例えば、日本人の生活に近いモミジ。
モミジは、冬の終わりから春にかけて土に植えるべきものです。
ハナミズキなどは、11月〜3月のあまり寒くない時期が適しています。
この植える時期は、要は休眠期に入っている時期なのです。
本来であれば、樹木を土に植え替えるにはちゃんとタイミングがあるのですが、人の最期は植物のタイミングに合わせてはくれません。
例えば、8月の真夏の時期に亡くなったとしましょう。
希望の樹木はモミジだとします。
モミジは、意外と太陽の光に弱い樹木なのです。
8月に植えられたモミジは、根がきちんと張る前に真夏の太陽に晒され、葉が火傷を起こしたようになってしまいます。
そうなると、いくら肥料などを与えてもダメで結局は枯れてしまいます。
そうです、樹木葬の樹木だって枯れることはあるのです。
なぜかイメージ的に、樹木葬の樹木は枯れないだろうと思い込んでいるかもしれませんが、そんなことはありません。
里山型樹木葬と都市型樹木葬も枯れた木は管理してくれる
樹木葬は、約18年前に日本で始まった永代供養の形の1つの方法です。
それ以前から散骨という供養の方法はありましたが、里山の再生と保護を目的として始められたと言われています。
山の豊かな自然を守り残していくための里山型樹木葬と言われる方法が始まりでしたが、次第に都市でも樹木葬が行えるように都市型樹木葬として整備された霊園やお寺などが増えてきました。
都会でも、樹木葬を選択肢として選ぶことができるようになったのです。
その特徴から、里山型樹木葬はある程度のエリアに1本の木を植えることになります。
しかし、都市型樹木葬はエリアにシンボル的な樹木を植えてこのエリアを区画分けするものです。
また、合祀タイプというものもあります。
納骨エリアで合祀されて、樹木がある側に一緒に埋葬されるものです。
どれも、自然の植物のため年月による劣化や災害などにより木が枯れてしまう可能性はあります。
都市型樹木葬でも里山型樹木葬でもだいたいのお寺や霊園は、管理の一つとして樹木の管理も行なってくれます。
枯れてしまった場合は、新たに樹木を植えてくれることが多いです。
しかし、お寺や霊園、契約内容によっては異なることもあるので、契約前にきちんと確認しておきましょう。
樹木葬も供養の年数は決まっている?樹木葬にはペットも一緒にはいれることも
樹木葬は、永代供養の一つです。
そのため、供養に関しても永遠ではありません。
通常、永代供養は年数での契約となっており、その期間に応じて永代使用料がかかります。
樹木葬に関してはたいてい、33回忌までをめどに供養を行なってもらえるようになっています。
ですので、里山型樹木葬でも都市型樹木葬でも永遠ではありません。
もし樹木が枯れてしまっても、この供養期間が過ぎれば植え直しはできませんし、供養年数がすぎればその樹木はなくなることになります。
もちろん、お寺や霊園によっても供養年数は異なるので、契約を確認して自分の予算や気持ちに合ったものを選ぶことがおすすめです。
大切な家族の一員であるペット。
ペットと一緒に供養してもらいたいという人も多いです。
一般的なお墓の場合は、ペットと一緒に入ることのできるお墓はかなり少ないです。
それに比べて、樹木葬はペットと一緒に埋葬してくれるところが数多くあります。
もしも、ペットと一緒に樹木葬を希望する場合には、まずは樹木葬のお寺や霊園を調べきましょう。
この時の樹木も、枯れてしまった場合には代わりの木を植えてくれることが多です。
ここも、契約の際にしっかり聞いておきましょう。
樹木葬は、自然に還るという意味で多くの人に受け入れられている供養方法です。
自然と共に過ごしていくわけですので、樹木が枯れてしまう可能性ももちろんあります。
特に、里山型樹木葬の場合は、故人1人に対し1本の木になるので根づかないこともあります。
そんな時でも、代わりの木を植えるなどしてしっかり管理を行なってくれるお寺や霊園などの場所を選ぶようにすることが大切です。