樹木葬は地方によって方法や形式に差があるのか?

地方によって形式や様式が違う
地方によって形式や様式が違う

1999年に岩手県のお寺から始まった樹木葬は、里山の自然を守るという意味から急速に日本中に広がりはじめました。
現在、全国に200ヶ所以上あると言われる樹木葬は関東には150ヶ所以上あります。
墓地の関係もありますが、やはり人口の多い都市部に多く見受けられるようです。
では、地方により樹木葬の方法や形式に差があるのかみていきましょう。

目次

都市部と地方で違うお墓の事情

現在、都市部はお墓が不足しています。
それも、一般的なお墓というよりは、人気の霊園などが不足しているのです。
日本の人口は、都市部に集中しており、地方にあるお墓の管理が難しいために、都市部へお墓を移す人が増えているからです。
都内の霊園などは、申し込み倍率が30倍程度となったこともあるようです。
しかし、お墓は都市部でなかなか増やすことができません。
お墓をたてるためのお寺や霊園は、条例などによりかなり厳しく規制されているのです。
そんなルールを満たすような土地は都心部で確保できません。
そのため、都市部では永代供養が流行ってきています。
樹木葬などの永代供養は、供養年数が決まっています。
お骨を納める年数が決まっているということは、その後はそこに別のお骨を入れることができるわけです。
そして、もともと入っていたお骨は合祀することになるので、多くに人にお墓を持ってもらうことができるようになるわけです。
そんな理由もあり、都市部に樹木葬が増えてきています。
地方に関しては、お墓を守るという意識持つ良いため、どちらかというと一般的なお墓がまだ多く見受けられます。

都市部と地方で異なる樹木葬の形式

樹木葬は、文字通り樹木や花などを暮石の代わりの標墓として利用するものを指します。
樹木葬は、大まかに分けると里山型樹木葬と都市型樹木葬に分けられます。
里山型樹木葬は、都市部から離れた地方部でよく用いられる埋葬方法です。
場所は、広い山林や小高くなっている丘などです。
自然の景色と一体化される雰囲気を好む人には向いています。
1人につき1本の木を植樹するため、里山の環境保全に繋がると言われています。
1人につき1本ですから、かなりの広さが必要となりますので、都市部に作るのは困難です。
それに対して、都市型樹木葬は公園型とも言われており、言葉通り公園のような芝の墓地に木を植えることになります。
都市部では1人に対し1本の木を植えられるほどの広さはなかなかとれません。そのため、目印となるシンボルツリーの周りに埋葬する形をとります。これは、個々をはっきり分けている場合と複数を一緒に埋葬する場合とありますが、そのお寺や霊園の方針によります。基本的には、地方であれば土地が多くとれるため里山型樹木葬で、都市部は敷地が狭いため都市型樹木葬となることが多いというわけです。

樹木葬にはこんな方法がある

樹木葬の形式には里山型樹木葬と都市型樹木葬がありますが、さらに細かく分けることができます。里山型樹木葬は、基本的に1人に対し1本の木を植えることになります。しかし、都市型樹木葬は3つに分けることができるのです。
都市型樹木葬の場合は、シンボルツリー1本に対し複数の遺骨を埋葬します。この時、個別に区分けされた場所へ1人ずつ埋葬する形と、1ヶ所の埋葬場所に1人ずつ分けられて埋葬する形、1ヶ所にまとめて埋葬する形があります。都心になると都市型樹木葬の中でも1ヶ所にまとめて埋葬される形が多くなるようです。
樹木葬は永代供養の1つです。供養する期間が区切られているのです。そのため、無縁仏にならないためには有効的な方法と言えます。また、永代供養はお墓の継承はありません。さらに定期的な手入れも必要なく、一度費用を支払ってしまえば基本的にはそれ以上費用がかかることはありません。今までの一般的なお墓の場合は、継承者のことを考えて家から近い場所などを選ぶ人が多くいました。
そのため、人口の多い都市部にお墓が多くなってきていたのです。しかし、永代供養ならば遠方であっても特に問題はないのです。ですから、都市部以外の里山型樹木葬であっても問題はありません。遠方であっても、時々のお墓まいりが可能なところであればいいのです。今までの、「お墓は近くに」という意識は必要ないのです。
樹木葬は、地方と都市部ではその形式が大きく異なります。どうしても、都市型樹木葬は霊園のようなイメージが強いかもしれません。もしも、樹木葬に対し大自然の中に還るイメージがある場合は、それは里山型樹木葬のことでしょう。
ご自身の希望する樹木葬が、どのようなタイプであるのかをしっかりと考えておく必要があります。人生で1回最後に自分が選ぶことができるのが、永代供養です。そうでないと、「思っていた樹木葬と違う」と最後まで不満を持ち続けることになってしまいます。

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