ドイツの樹木葬<事例 その1>

ドイツでは樹木そのものを墓標とする樹木葬が普及しています。
2001 年にラインハルトの森(国有林)に誕生しました。

フリードバルト社(https://www.friedwald.de
という民間企業が国有林、つまり公営の樹木葬墓地を運営するという
ユニークなスタイルを作り出し、今ではドイツ全国の森の500箇所以上で
展開されています。

現在では新規参入事業者もあり、ドイツの樹木葬は普及を続けています。
このドイツ型の樹木葬、最大の特徴は
「既に森にある木を墓標として利用する」ということです。

遺骨も木の根本近くに埋葬します。ネームプレートも非常に簡素で
金属製のプレートを幹に釘うちするだけのものです。

木が墓標として販売されているので利用者は「木を買う」
という感覚です。

日本では
「墓地に新たに木を植え、樹木葬とする」
ものが多く(そうでないところもあります。)
いかにも造園、造形されたものがほとんどです。

利用者は木の周りに設定された区画や埋葬穴を買うという感覚です。
(時には木がない樹木葬もあり・・・汗)

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この違いはどこから?

ドイツは森の文化が成熟していて、植物も日本の亜熱帯のものとは異なります。

また、すぐに墓地として利用できる管理された平らな森が広がっていることが大きいです。

フリードバルト社はコンセプトとして「お墓参りをピクニックに」と
していて、誰もが自由に楽しめる森が郊外に点在しているのはドイツならではというところでしょう。

日本でもかつて里山というドイツに負けない森との関わりがあったので、
造園に凝るばかりでない、ドイツの思想を周到した墓地が現れるといいなと思います。

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