納骨堂の経営破綻問題

2022年10月27日に、札幌市東区で納骨堂「御霊堂元町」を経営する宗教法人白鳳寺が経営破綻し、事業継続を断念した問題が報じられました。

この納骨堂は10年前に開業しましたが、建物は経営悪化で昨年11月に差し押さえられ、11月9日に利用者への説明会で白鳳寺の代表者が「建物は強制競売にかけられた」と報告し遺骨を持って帰って欲しいと伝えたと報じられています。

墓地や納骨堂は墓地経営許可が必用とされており、この許可の条件として、宗教法人や地方公共団体、公益法人がその経営主体になることができるとされています。
これは、その法人の永続性を鑑みてそのようになっているのですが今回の事件ではその足元が揺らぐ形となりました。
納骨堂の経営破綻は全国に事例は少ないものの、前例はあるのですが、今回は宗教法人が永代供養の責務を放棄し、遺骨を返還するに至ったという点が極めて異例の事態になっています。

このような報道を見ると、自分が検討している墓地は大丈夫だろうか?と心配になります。
今回のように、経営破綻が起きる要因は使用者募集の状況よりも、「借入をして、納骨堂を建て、集客を行って返済に充てる」というマンション等では当たり前の事業スキームに問題があります。本来は宗教法人の資産である納骨堂が担保になっていること事態が疑問なのですが、ご自身の納骨堂がどのようなスキームで建設されていて、資金繰りが悪化した場合に起こりえることは契約前に確認された方が良いでしょう。

利便性の高い納骨堂は建設費も高額ですから、それがどのような仕組みで建設されているか、また機械構造型の場合には耐用年数と更新費用はどうなるのか?など確認が必要な事項です。

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樹木葬と経営

この樹木葬入門でご紹介している里山型に限っては「寺院や公益法人の所有地」を整備して作られたものです。また、もともと、資産価値が低い土地なので、これを担保に借入を起こすこと事態が困難ですので、その点では納骨堂に比べて安心ができる方法です。
ただ、宗教法人の経営はブラックボックス化している場合も多々ありますので、ご検討の際はどのような経営姿勢であるかは確認されておくことをおすすめいたします。少なくともその問いかけに何らかの回答を準備している法人と契約したいものです。

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