禅宗(臨済宗・曹洞宗)が先導した日本の樹木葬
新しい埋葬方法である樹木葬は、1999年に初めて、岩手県一関市にある知勝院(当時は、祥雲寺)にて設置されました。この知勝院は、臨済宗の寺院です。
その後、樹木葬は、房総半島の寺院で見られるようになりました。真光寺(千葉県袖ケ浦市・2005年)と、天徳寺(千葉県いすみ市・2009年)は、曹洞宗の寺院であり、お寺が開設する樹木葬は、臨済宗や曹洞宗など禅宗の寺院がパイオニアとなって切り開いてきたと言えるでしょう。
また、関西では、京都市右京区にある西寿寺が2005年から樹木葬の運営をはじめました。西寿寺は浄土宗の寺院です。同じく京都市内の即宗院(2011年)、荘厳院(2011年)にも相次いで樹木葬が造られましたが、この2寺院は、東福寺の塔頭であり、臨済宗の寺院です。
これらの寺院はいずれも、樹木葬を求める方は宗旨宗派は問わないというスタンスで、自らの宗派だけに限るということはなく広かれた樹木葬として運営されました。
その後、禅宗系だけでなく、浄土真宗や浄土宗、日蓮宗、真言宗、天台宗など、様々な宗派の寺院が樹木葬を開設するようになりました。
民間霊園にも樹木葬が林立
時期を同じくして、認定NPO法人エンディングセンターが町田市で2007年に樹木葬をスタートさせるなど、民間の霊園でも樹木葬が見られるようになります。民間霊園ですので、宗旨宗派は問わない樹木葬です。その後、樹木葬人気の高まりに伴い、日本全国の民間霊園には、樹木葬区画が設置されるようになります。
公営霊園の樹木葬は、横浜と東京から
公営霊園でも、2008年の横浜市に続いて、2012年には、東京都が樹木葬区画を開設しました。公営霊園ですのでもちろん、宗教は一切問わない樹木葬です。
神社の樹木葬も
一方、茨城県笠間市にある常陸教会が運営する「ふくはら霊園」にも同時期に樹木葬が設置されるなど、珍しい神社の樹木葬なども見られます。
まとめ
まとめますと、日本の樹木葬は、宗教や宗派の違いなく、多くのお寺が運営するようになっており、その多くが、宗旨宗派を問わずに受け入れている状況です。
また、民間霊園や公営霊園でも、樹木葬は今や、霊園内のお墓の一つの種類として当たり前に設置されるようになっており、宗教色の感じない樹木葬も多い状況です。
あなたにあった樹木葬を選ぶことができる時代を迎えているといえるでしょう。