樹木葬という注目の埋葬方法があります。
そして一方で最近都心に増えているのが納骨堂というお墓のスタイルです。
実はこの2つはどちらも非常に注目されているお墓となっています。
そこでここでは新たに出てきた樹木葬と納骨堂のメリット・デメリットを比較してみました。
新たにお墓を探している方はぜひ参考にしてください。
樹木葬は屋外・納骨堂は屋内にある
樹木葬
樹木葬は屋外の従来のお墓に対して、樹木を墓標にした新しいお墓です。
もちろん墓標とする樹木1本に対して周囲に遺骨を埋葬するようなスタイルにすると、複数の方で共有する墓地という意味にもなります。
また個別墓という方式もとれる比較的自由度が高い屋外型墓地です。
土に還りたいという従来からの希望があるなら、樹木葬という形が向いています。
納骨堂
一方納骨堂は本来お墓を作る前に一時的に安置しておく場所のことを言いました。
しかし最近ではその意味が転じて、屋内型お墓という意味に使われるようになりました。
多くは都心にマンションのような近代的な建てものとして建てられ、雨天に左右されることなくお参りできるというところに人気が集まっているようです。
樹木葬も納骨堂も共通しているのが「お墓の価格は安い」
樹木葬と納骨堂のどちらも料金が安いという言い方をしましたが、
詳しくいうと都心になればなるほどやはり高くなります。
もちろん樹木葬ができる公営の墓地なら10万円から利用することが可能です。
また納骨堂もおひとり10万円というところもあります。
これは両方とも一緒の値段です。
樹木葬
ただしガーデン型や公園型の人気の場所に樹木葬ができるお墓を購入すると少し価格帯が変わってきます。
都心にあると、やはりお墓一つで100万するところもあります。
樹木葬だからといって必ずしも安いとは限りません。
そしてお墓でも合祀でなく個別にして30年50年と供養をしてもらえるとさらに高くなることもあります。
納骨堂
これは納骨堂も一緒です。
最近は屋内墓地として自動搬送式というハイテクを利用した納骨堂が増えています。
これらは都内の一等地にあり、多くが駅から歩いて数分という距離にあります。
また耐震設備としても整っており、周囲のマンションがもしかしたら地震で倒壊する可能性がある中で、震度7以上も耐えられるという納骨堂も登場しています。
そうなると30年以上や50年以上もの永代供養をしてもらうとなると100万以上するところもあります。
プランによって安く利用できるということで都心になるとやはりお墓の値段としては上がるというのが共通しています。
ただし一般のお墓と比較すると多少安いというのが実際です。
樹木葬も納骨堂のどちらも永代供養墓であること
説明が前後しましたが樹木葬も納骨堂も基本は永代供養墓です。
これは永代使用と違って、期限付きのお墓という意味です。
例えば10年、20年、33年、50年といった節目までを供養して、それを過ぎると合祀という形でお墓がなくなります。
回忌ごとで区切られるか年度で区切るかという差はあるものの、ほぼどこでも同じような永代供養方法になっています。
またどちらも年数が多くなると値段が高くなります。
それはその通りで長く管理して供養してもらうのだから値段が高いのは仕方ありません。
そしてこの考え方はその樹木墓地や納骨堂を運営しているお寺や宗教法人の檀家になるという意味で、使用期限の料金を払うことでその後追加費用を払うことはありません。
樹木葬のメリット・デメリット
メリット
樹木葬は、
・土に還りたいという自然回帰の意識が高い
・お墓としてはほしいが高いお墓は必要ない
・継承者がいなくてもお墓が持てる
といったニーズにこたえたお墓です。
最大のメリットは屋外にあり、自然な樹木の下に埋葬されるということです。
樹木を植えてその下に眠ることができるので、自然保護の一環になるだけでなく、参拝者にも四季の移り変わりを感じながらお参りできます。
デメリット
ただし里山タイプの樹木葬になると自然が深いということで徐々に場所がわからなくなる、お墓の手入れがしにくいという問題が発生します。
そしてもちろん天気が悪い日はお参りできません。
また合祀というタイプを利用すると遺骨を後で取り出すことはほぼ不可能になります。
自然環境に恵まれた場所に作られているタイプなら、心安らぐ半面、お墓が自然により荒れるということもあります。
納骨堂のメリット・デメリット
メリット
屋内にあるということでいつでもお参りできる点です。
また都市にあるので家族でいつでもお参りできます。
また手ぶらで行ける(管理してくれる人がいる、お花やお線香は持参しなくても良いというところが多い)というのもメリットがあるでしょう。
特に改葬しやすいというのも人気が高まる理由です。
また納骨している骨壺ごと預けることが可能なので、
・樹木葬と違う部分としては骨壺が自由に取り出せる
・名義人の書き換えが比較的自由
という部分もあります。
これは樹木葬の名義人が一人、もしくは夫婦としているのとは少し違います。
デメリット
ただし最近は頑丈なビルでできた納骨堂が増え、ハイテクで管理されている納骨堂が増えました。
一時言われていた、災害に弱い、何かあったときは施設倒壊するといった危惧を払拭する建物も出てきました。
しかし人によっては自動搬送式という遺骨の搬送システムが気に入らないという方もいます。
また新たな問題としては某納骨堂が固定資産税を取られるという事件に発展したこともあります(昨年)。
もちろん利用者には関係が今のところありませんが、今後都心にある納骨堂が宗教の本来持つ「宗教を広める行為」に反していると税務署が判断したら、どんどん税金を取られることになり、最終的には利用料金に反映されるということにつながるかもしれません。
また狭い場所にお骨を入れておきたくないという方には不向きかもしれません。