樹木葬とは、墓地の形態の一種であり、樹木を墓標として用いる埋葬方法です(樹木葬でも、小さな墓石を墓標として設置している形態は見られます)。
自然葬の一種であり、2000年代から広がり始め、2023年現在の日本では、主流となっている埋葬方法の一つです。
樹林墓地、樹木葬墓地などと呼ばれることもあります。
樹木葬の歴史と広がり
樹木葬は、1999年に、岩手県一関市にある知勝院(当時は、祥雲寺)で日本ではじめて行われました。
2000年代の後半には関東地方を中心として、多くの樹木葬が開設されはじめました。主な樹木葬としては、真光寺(千葉県袖ケ浦市、2005年)、桜葬(東京都町田市、2005年)、天徳寺(千葉県いすみ市、2009年)などがあげられます。
公営霊園でも樹木葬は広がりを見せ、2008年には公営霊園初の樹木葬として「横浜市営墓地メモリアルグリーン」が、2012年には、都立小平霊園内に「樹林墓地」が開設され、応募が殺到するなど大きな話題となりました。
同時期に関西地方でも、樹木葬が見られはじめ、西寿寺(京都府京都市、2005年)、神戸聖地霊園(兵庫県神戸市、2008年)、神峯山寺(大阪府高槻市、2011年)、北摂池田メモリアルパーク(大阪府池田市、2011年)などがあげられます。
その後、全国に樹木葬は増え続け、株式会社鎌倉新書の調査で2020年には、購入したお墓の種類に関して、樹木葬が一般墓を上回り、その後も樹木葬が1位を獲得していましたが、2023年の調査でははじめて、樹木葬が過半数を超えるなど、選ばれるお墓の主流となっています。
参考:【第14回】お墓の消費者全国実態調査(2023年)霊園・墓地・墓石選びの最新動向
https://guide.e-ohaka.com/research/survey_2023/
なぜ樹木葬は広がったの?
なぜ、このように比較的新しい墓地の形態である、樹木葬が広がったかという理由に関しては、
- 自然回帰の思考
- 少子化に伴い、墓地の継承を負担に感じる人の増加
- 費用面で、一般墓よりも安価な傾向がある
などの理由で選ばれていると言われます。
ChatGPTの2023年3月時点での「樹木葬とは」に対する返答例
- 日本の樹木葬とはどんなお墓ですか。200文字で教えてください。
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日本の樹木葬とは、遺骨を樹木の根元に埋葬し、その樹木を墓標として利用する形式のお墓です。墓地には様々な種類の樹木が植えられ、遺族は自分たちが希望する樹木の下に遺骨を埋葬することができます。樹木葬は、自然と共に生きることを願う人々にとって魅力的な選択肢であり、また環境に優しい方法でもあるとされています。墓石や墓地の管理費用が不要であるため、費用面でも比較的手軽に利用することができます。ただし、地域によっては制度や手続きが異なる場合がありますので、詳細は事前に確認することをおすすめします。